「新しい家では猫を飼いたいけど、トイレはどうしようかな」「人が来たときに洗面室で手を洗ってもらうの抵抗あるな」→洗面台は廊下に出してその下に猫のトレイを置こう、「SOHOが欲しいな」→寝室の収納スペースをSOHOにしよう、と自分のライフスタイルに照らし合わせて、住まいを構築していきます。今回のリノベの天王山は、「無印良品は卒業したい」パパVS「モノは大切に使いたい」ママ。シンプル・イズ・ベストのパパは長らく無印良品を愛用していましたが、今回のリノベーションに合わせて収納を造作し、大きな収納棚は破棄したいと考えていました。一方ママは、使えるものは使いたい。激しい攻防戦の結果、「収納を分解して置けばいいんじゃない?」と、いう結論に辿り着きます。そして、子ども部屋とリビングにそれぞれ置いてみると、意外とおさまりがいい。無印の食器棚は、天板をプラスすることで造作した飾り棚とコーディネート。思い入れのある祖母のタンスは、WICと寝室とLDKへ。LDKではタンスがうまく馴染むよう、造作棚を設計しました。SOHOや廊下など家のあちこちに小さな本棚を造作し、その大きさに合わせて本を分類する分散型を採用しました。バラバラと置かれたものをまとめて収納するのがリノベーションの鉄則、気持ちよく裏切られました。
BEFORE
Sさんのリノベーションには歴史があります。「2007年だったかな。無印良品の本に触発されて、スケルトン・インフィルをやりたいなあと漠然と思っていました」。当時はまだ、リノベーションという言葉が出始めた頃です。雑誌で「これもいいな」「あんなことしたい」と思い続けて10年以上。ようやく関西定住の目処がつき、ママの実家近くに物件も決定。ついにリノベーションとなりました。