基本性能の向上を目指し、内窓の配置、断熱改修を行い、暮らしやすく低燃費なリノベーションとしている。
レイアウトを大きく変更し、ルーフバルコニーとLDKとの繋がりを再構築、それによりルーフバルコニーが屋外LDKと昇華、アウトドアライフが満喫できる空間となっている。
共働きの夫婦のためにメイン動線とは別に、「エントランス→ランドリールーム→脱衣所→家事室→キッチン」という家事動線を配置し、暮らしやすいレイアウトを創り出した。また、無駄に広かった既存の玄関や廊下を圧縮することにより、妻には家事室、夫には書斎とお互いのパーソナルスペースも確保している。
ウィズコロナの社会ではテレワークをする機会も増える中で、住宅のパーソナルスペースを確保することはこれからの住宅の課題である。現時点では子どもは幼児であるため、あえて子ども部屋はない。しかし将来はLDKの一部に子供部屋が確保できるようプランニングしている。ライフステージに応じて間取りを変えていくことは、人の暮らし、人生に寄り添うリノベーションであると考えている。
タイトルの「粗面コンクリートの家」であるが、インテリアにふんだんに使用した無垢材を際立たせるためスケルトン状態の荒々しいコンクリートの表情を取り込んだ。コントラストのある特徴的な空間演出を行った。
BEFORE
築28年の4LDKファミリー向けマンションを、1LDK+WICとフルリノベーション。30代夫婦と子どもの3人暮らしに適した住まいのあり方を考えた。この住居の最大の特徴である大型のルーフバルコニーがあるが、もともとの間取りではLDKに面しておらず暮らしとの繋がりが薄かった。