二人が寛ぐLDKは広がりのある大空間とし、キッチンと連続的にレイアウトしたダイニングテーブルは、料理好きの夫婦が食事を楽しめる動線となっている。アウトドア系の趣味のあるご夫婦ということもあり、寝室を囲った壁面はアガチスの無垢材を貼ることにより、LDKに小屋が存在するようなチャーミングなデザインとしている。寝室は8畳と広めに確保し、書斎コーナーを設けた。また、書斎のカウンターのリビングに面する壁面は室内ガラス窓とし、木製ブラインドを配置、寝室と書斎空間とリビングを状況に応じて閉じたり開いたりする仕掛けを設けている。
ウィズコロナの社会では、テレワークをする機会も増える中で、住宅の中にワークスペースを確保することはこれからの住宅の課題である。
スキューバーダイビングなど多趣味なアクティブシニアのため、玄関直結の大収納が必要だった。玄関から寝室に抜ける裏動線とWICを配置した。タイトルの「Beehiveの家」であるが、フィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アアルトの照明「Beehive」がリビングのポイントとなっていることから名付けた。スリットから溢れる光が、LDKに使用している「コンクリート」「タイル」「モルタル」「ナラ材」等の様々なテクスチャに馴染んでいる。これらの素材が年月を重ねエイジングし魅力が増していき、穏やかな時間の流れる巣になることを願っている。
BEFORE
築26年の3LDKファミリー向けマンションを、1LDK+WICへとフルリノベーション。アクティブシニア夫婦の二人暮らしに適した住まいのあり方を考えた。基本性能の向上を目指し、内窓の配置、断熱改修を行い、暮らしやすく低燃費なリノベーションとしている。