築48年、仙台市内では最も古い層にあたる高齢のビンテージマンション。
１階には、当時は特に充実していただろう共用部が、今もなお面影を残し、テナントによって賑わいが感じられます。居住者にとってただ古いだけでない、管理体制も行き届いた素晴らしいマンションです。

お施主様もその魅力に感銘を受け、リノベーションの醍醐味である「積み重ねてきた歴史＝履歴」を存分に生かし、このビンテージマンションを住み継いでいく事を望まれました。
室内の造作物を空間に残したままどこまでできるかを一番に考え、以前の居住者のこだわりがあったであろう白い造作収納は、収納の一部を取ってしまい、子供のデスクスペースに。取っ手は新たにお子さんとアンティークショップで選んだものを付けて、自分仕様に変更しています。
壁面いっぱいのタンスには、色の濃いグリーンのクロスを合わせ、今では珍しい前面連窓サッシ側の床には、タイルを敷き、より外部との連続性を深め居室を大きく見せる工夫を施しています。また、仙台の地域特性も含め、冬は寒く、フルリノベーションの際は断熱改修を行うことが重要ではありますが、今回は住み継ぐために残したい部分とコストの兼ね合いを検討し、ペアガラスの２重サッシにて冬の寒さ対策を行っています。

これからも「履歴」に対し、新しい住み手によって「更新」し続ける住まいになる事を望んでいます。