越後肴町櫻田鮮魚の過去と未来

その他  /   エリア:新潟県  /   掲載日:2020-09-22

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掲載日:2020-09-22

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櫻田鮮魚の歴史は古く創業100年を超える。改装前は新潟市中央区本町通6番町にあった本町食品センターで69年営業してきた。2019年8月31日、新潟の台所として賑わいの中心的存在であった本町食品センターが閉鎖になり移転を余儀なくされた。本町通11番町は69年以上前、櫻田鮮魚があった通りである。当時は魚の卸売りの中心地で「肴町」と呼ばれていた。ここに櫻田さんの自宅があり、自宅ガレージを店に改装し、再びスタートを切ることになった。

店のコンセプトは「本物の味」を届ける場。櫻田さんご夫婦は本物の味を知らない人が増えていることを心配しており、その現状を少しでも変えられる店にしたいという想いがあった。それは大人だけでなく、こどもたちにも美味しい魚を食べて成長して欲しいという願いでもある。また、魚を売るだけでなく人が集まり食事ができる「人と人とのつながり」をもてる店を目指した。店内はコミュニケーションを重視し、外から櫻田さんたちが立つ作業場がよく見え、その所作まで見えることを含め、店の佇まいとして設計した。

新しい櫻田鮮魚は「魚屋に見えない」と言うお客さんが多い。従来の魚屋のイメージが変わり、若いお客さんも増えたと言う。これからの時代の魚屋はどうあるべきか、かつての賑わいを失った商店街に櫻田鮮魚の「本物の味」「人と人とのつながり」が町に変化を与えるきっかけとなることを願っている。

BEFORE


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築39年、鉄骨造3階建の1階ガレージを魚屋に改装する計画。櫻田鮮魚は商店街の外れにあり、人通りはそれほど多くない。この通りはかつて肴町と呼ばれ賑わっていた時代があり、近隣には老舗の魚屋も点在している。設計において、近所の魚屋との差別化を図りながらも、町に活力を与え、共存共栄できる道を模索したが一時期行き詰まっていた。
そんなある日、櫻田さんから機会を頂き、年末の繁忙期に設計者自ら本町食品センターの櫻田鮮魚で働かせてもらった。そこには、お客さんとの信頼関係、魚をさばく作業動線、店主の想いがたくさん詰まっていた。
もしかしたらメインの通りから外れているのでお客さんが来ないかもしれない。場所が変わり常連さんが来なくなるかもしれない。不安はあった。しかし、それを上回る覚悟と意志を櫻田さんから感じ、少しでも多くの人に「本物の味」を届け喜んでもらいたいという店のコンセプトが明確になっていった。

Before

After

    • 部門
    • 無差別級
    • 間取り
    • 魚屋
    • 費用
    • 1200万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 水まわり / 居室・その他 / その他
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1981年5月
    • 構造
    • 鉄骨造
    • リノベーション面積
    • 72.90
    • 施工期間
    • 3ヶ月
    • 備考

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