空き家から始まるまちづくり。
「besso片山津温泉」はそんなコンセプトのもと始まりました。
石川県加賀市の湖畔の温泉街にあった「マッサージ会館」だった建物を飲食店を併設した3部屋のみの宿泊施設にリノベーションしました。
周辺に大きな温泉旅館が林立する場所に作ったこの小さな施設は、温泉場にも関わらず施設内に大浴場もなく、夕食も提供しない、いわば不完全な施設です。だからこそ、歩いて3分の総湯や他の旅館の立ち寄り湯が浴場であり、お隣のバルや飲食店がダイニングであり、目の前の公園が庭です。このように、不完全さを町と補完しながら運営することで、この町の住人や事業者のみなさんと一緒に新しい片山津の魅力を作り、伝えていきたいと考えています。 自然・食べ物・観光地・科学・芸術など知られざる片山津の魅力に、新参者がまずワクワクし、探究し、その体験をイベントや地元との連携によってこの建物から多くの人へ分かち合っていく。かつて片山津を訪れた人々を癒すために、マッサージ師達がここから派遣されていた時のように、片山津の町の魅力をここへ集め、また街へと還元していくような存在を目指します。
BEFORE
昭和60年にひとつの温泉街にマッサージ会館として誕生したこの建物。
地域の温泉旅館にマッサージ師を派遣するための待機所兼事務所として約30年間その役割を果たしてきました。
そして一昨年その役目を終えました。画像はまさにマッサージ会館の受付です。
今回の取り組みはリノベーションが始まる前から地域内外の人たちとイベントを通じて関わりながら始まりました。
建物の残置物を「持ってけ市」の会・間取りを考える会・その地域を歩いてみる会。
そしてその時に気づいた空き店舗をどう使ったらいいのかを考える会。
最後は内装の塗装のD.I.Yの会。・・・ここで何かが始まるという興味を持って想像以上の方たちが参加してくださいました。