空き家活用~地域の防災コミュニティモデル~

戸建  /   エリア:新潟県  /   掲載日:2020-09-19

戸建  /   エリア:新潟県

掲載日:2020-09-19

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築85年の空き家古民家を、災害時は防災拠点として活用できる「地域の多目的スペース兼自社工房」に改装をした。構造計算の結果、伝統工法をなるべく活かすために、安田瓦を降ろし、軽量なガルバリューム鋼板葺きとし、金物を取り付けるなど、必要最低限の耐震補強を行った。伝統工法を継承することで、耐震基準を満たさない部分は耐震シェルターを設置して補った。丸太の梁や小屋組はそのまま磨き、床、天井はヒノキ無垢材を張り、漆喰の塗り替えをした。サッシは全てペアガラスに交換。大壁、天井、床下は新たに断熱材を施工し、外壁材も全面張り替えることで冷暖房負荷を軽減した。9KWのソーラーパネルと4KWの蓄電池を設置したことで、停電時でも平常時と同等の活動が可能であり、今年の8月の猛暑の中でも日中の活動のすべてを自然エネルギーで賄い余剰分は売電した。夜間は蓄電池で連続10時間、冷房・照明・冷蔵庫などを稼働できる。薪ストーブを設置した。発電能力が落ちる積雪時でも暖を取り調理ができる。燃料は建築業務で生じる端材を使用しコストはゼロである。建物は会社の打ち合わせスペースとして利用する一方、地域の育児世帯や高齢者に、コミュニティの場として、災害時にも活用できるスペースとして利用してもらっている。今後は行政と連携し、どの地域でも抱える空き家活用のモデルとなれるよう、リノベーションし続けたいと考えている。

BEFORE


before image

長年に渡り「売家」の看板が出ていたが、世間から拒絶され続け、近づくことも躊躇される建物は、雨漏りし、土壁が崩れ、放置されたゴミが四方に散乱し、管理されていない土地は、雑草が背丈の倍以上に生育し、行政や近隣住民の頭痛の種であった。小学校の通学路になっている道路沿いに位置し、子供達からはお化け屋敷、大人達からはゴミ屋敷として恐れられてきた物件であった。
しかし老朽化はしているものの、構造体は神社や仏閣に代表される伝統的な「通し貫工法」の建物であり、昔の匠らによって緻密に建てられ、甚大な被害をもたらした昭和39年のⅯ7.5の新潟大震災や平成16年のⅯ6.8の中越地震など、幾度もの震災を経験したとは思えないほど、シャキッとして見えた。
雨水を吸収し半分垂れ下がった天井板を取り払うと見事な小屋組みと七間通しの丸太梁が姿を現した。

Before

After

    • 部門
    • 無差別級
    • 間取り
    • 3LDK
    • 費用
    • 1300万円(税込)
    • 形態
    • 再販モデル
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体 / 水まわり / 居室・その他 / 屋外 / 耐震補強 / 断熱改修 / その他
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1930年4月
    • 構造
    • 木造平屋建て
    • リノベーション面積
    • 122.97
    • 施工期間
    • 5ヵ月
    • 備考

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