「Old & New 古くて新しい・古民家のカタチ」

戸建  /   エリア:広島県  /   掲載日:2020-09-19

戸建  /   エリア:広島県

掲載日:2020-09-19

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今回のリノベーションは広島市近郊の築150年古民家。このエリアも空き家が増え続け、どう住み継いでいけるかが課題となっている。
代々受け継がれてきたこの家を次世代に向け「古くて新しいOLD &NEW」な古民家のカタチを提案した。

まず外観は、入母屋造と赤褐色の石州瓦屋根の佇まいを残し、地域景観を保ちながら新しいファサードデザインへ。
室内は南東の日当たりが良い場所でありながら、日常使われない仏間、床の間、縁側。このスペースを家族や友人、地域の人達が集える場として、縁側を室内空間と一体化し、そこから広がるデッキを設けた。

次に古民家特有の冬の寒さが最も課題であった。
そこで、寒さによる身体への負担を軽減するために「温熱・省エネ計画」の提案を行った。
寒さを我慢するのではなく、断熱パッシブエリアを定め、新築同等の冬の快適性、健康的な住まいを目指した。断熱性能も国が定める省エネ等級4(UA値0.87W/㎡K)に対してUA値0.68W/㎡Kと大幅に達成し、省エネ性についても室温の安定による冷暖房エネルギーの効率化、負荷削減にもつながるリノベとなった。

古民家は地域にとって大事な資源であり資産である。
古民家リノベに携わる者として、古民家の魅力を伝えると共に「新しい暮らし方とデザイン」を発信し、次世代が住み継いでいくことを願い、伝えることが私たちの役割と考えている。

BEFORE


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この地域は兼業農家で昔から神社の祭事、地域の清掃などコミュニティ活動と奉仕作業を行いながら暮らし続けている地域である。建物は築150年、西南日本特有の田の字型間の取り。歴史的に葺屋根を風雨や火事から家を守るため凍害のない石州瓦屋根とし堅牢な入母屋居蔵造りに変えるなどその年代ごとの生活様式の変化と共に大小の増改築を繰り返し何世代にも受け継げるリノベーションを行なって来ている。当地で生まれ育った施主も受け継ぎ受け渡す時期が遠からずやってくる。今回数年前にリビング、キッチン、浴室など水廻り工事が行なわれ今回は対象外となっているが、この期に次世代にも古民家の魅力を感じ古くて新しいリノベーションとして、また、自分たち夫婦としての老後を見据え快適で健康に暮らし続けられる古民家のカタチとして、施主と共に模索した。このリノベーションの手法とカタチが、地域の風景としても溶け込む事を願ってスタートされた。

Before

After

    • 部門
    • 1000万円以上
    • 間取り
    • 4部屋
    • 費用
    • 2000万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 居室・その他 / 断熱改修
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1870年1月
    • 構造
    • 木造
    • リノベーション面積
    • 85.45
    • 施工期間
    • 7ヶ月
    • 備考

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