きっかけは「リノベーションが社会に貢献できることを証明したい。」という想い。
CO2削減を掲げ1997年に採択された「京都議定書」。その目標を達成する一つの手段として、日本各地に無数に存在する古い中規模オフィスビルをゼロ・エネルギー・ビルディング(ZEB)にリノベーションできないか、というアイディアの実証実験を兼ねて誕生したのが、この新社屋。
NEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)からの支援を得て、北海道大学工学部と共同開発した、地中熱ヒートポンプシステムを採用。社屋壁面のソーラーパネルと合わせ、1次エネルギーで71%削減、創エネルギーを31%作る事ができ、合わせて102%のエネルギーの数字を出す事ができた。誰もが導入できるリーズナブルなイニシャルコストと、長寿命で圧倒的な低ランニングコストを実現している。
また年間を通じ約17℃という安定した温度の地熱を活用することで、冷暖房時のエネルギーの消費を抑え、高性能換気装置と合わせることにより、内部で過ごす人の身体への負担の少ない「空気質」を生み出し、快適で健康的に過ごせるオフィスとなった。
外・内装には北海道産の木材を使い、地産地消に貢献するとともに、西方設計の手掛けた緑化プランも合わせ、社員がリラックスして業務に集中できる環境となっている。
この試みが、日本のそして地球環境にとってプラスになることを望んでやまない。
BEFORE
精密機器メーカーの流通倉庫件ショールーム&オフィスだった建物。倉庫として大雑把にプランされた間取りと、全面ガラスのシュールームスペースという、チグハグな構成は夏冬の気温差が30℃に達する北海道では冷房・暖房ともに不利な環境。