築30年以上が経過した木造戸建て。親御様のお住まいにて、ご家族一緒に新たな生活をスタートさせることを契機にリノベーションのご相談をいただきました。お施主様が幼少期から学生時代までを過ごされた当建物。ご家族の様々な思い出が宿っています。これまでに生まれた大切なもの、これから生まれる新たなもの、両方を大切にできるような場所づくりを目指しました。
中庭に設置した縁側は、バーベキューやおやつの時間、日向ぼっこ、季節の風物詩など、家族のコミュニケーションの中心となる場所です。二世帯の暮らしそれぞれのライフスタイルを考慮した上で、間取りの整理、断熱・耐震補強、家の寸法に合わせた家具の造作などのお手伝いをさせていただきました。末永く家での時間を楽しんでいただく為に、「暮らしやすさ」「豊かさ」「快適さ」といったソフト・ハード両面においての性能向上に努めています。
「宿り木」とは、既に生えている木から新たに芽吹く木のこと。
この住まいにも、ひとつの床に複数の命が宿り、深く根付いて続いていくようにと願いを込めました。
自分の育った場所で、自分の子供が育つ。ここは懐かしくも新しい「我が家」の出発点。
これまでも、これからも、住まいは家族の未来を紡ぐ土台です。
たくさんの人の人生が折々に重なることを楽しみにしています。
BEFORE
100坪のお住まい。先日まではお施主様の親御様がお一人で生活されていました。個室が多く、とにかく広い。キッチンやトイレ、居室といった住機能が分散されていて、無駄な動線が多いことが課題でした。