新型コロナウイルスの感染症対策としてテレワークを推奨する企業が増え、自宅で仕事をする機会が増えたという人も多いでしょう。しかし、生活するための場である住まいで、仕事環境を整えるのはなかなか大変なもの。こちらは、そんなコロナ禍に先んじて理想的なワークスペースを完成させてしまったオーナーの事例です。
インダストリアルな雰囲気を醸す室内窓によって、パブリックスペースとはゆるく区切られた書斎。天井は高く、開放感たっぷり。窓の外には庭が広がり、春には満開の桜が、秋には鮮やかな紅葉も楽しめるというロケーション。「仕事に煮詰まったときも、ここなら最高のリフレッシュができそう。緑を眺めながらお茶したい」というオーナーの希望にあわせ、窓際にはベンチも造作。ちょっとした荷物を置いたり、家族と会話を交わしたり。この家には心地よい居場所をたくさん作りました。
料理好きの奥様のこだわりは、飲食店の厨房のような本格的なステンレスのキッチン。インダストリアルな空間ともマッチしながら、ひときわ存在感を放ちます。外出自粛期間も、この家なら互いに快適な時間が過ごせるかもしれません。
BEFORE
部屋数はたくさんありましたが、細切れのリビングや、窓のない居室、開口部に背を向けるような壁付けのキッチンなど「居住性」は、けして良好とはいえない築52年のマンション。天井は低く、間取りや設備の古さなどもいかんともしがたいものでした。
これまでも細かく何度かリフォームをされてきたようで、スケルトンにしてみたら「これまでのリフォームの痕跡がいろいろと出てきて興味深かった」とオーナー。
今回のリノベーションによって、3LDKのマンションは2LDKに。部屋数を減らして、住まう人のライフスタイルに寄り添った快適な住まいに生まれ変わりました。