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『URBAN FLATS五橋』は築55年以上が経過した、RC造3階建て3棟のアパートだ。本プロジェクトでは、この建物を32戸の住宅+4戸のオフィスへ一棟丸ごとリノベーションした。当時これだけの規模のリノベーション自体が仙台では珍しかった上に、建物完成後にも地域では初に近い取組みが続いたため話題となった。取組みのひとつは、無印良品・サンワカンパニーの商品を全面に打ち出したモデルルームの設置だ。首都圏ですら賃貸住宅にモデルルームを設置するのはさほど多くないが、仙台ではさらに珍しく、<この部屋に入居した後の豊かな暮らしをイメージできる>施策だった。もうひとつが、建物前に新設したウッドデッキを活用した、地域にひらかれたマルシェ「HAMIDASU MARKET」の開催だ。お菓子や食品・インテリアの販売、無印良品による出店などもあり、多くの方に来場いただいた。数多くの注目を集めた結果、賃料をリノベ前の3万円台から7万円前後に増額したにも関わらず募集早々に満室、家賃収入は大幅な増額となった。 建物の状態の良さと立地、この2つの要素からスクラップアンドビルドではなく、リノベーションを判断したのが吉と出たわけである。本物件はハードとソフトの両面から、いかにして今の時代に合わせていくのかという点がポイントとなった。なお、今後も地域に根付いたイベントを定期的に開催予定である。
BEFORE
本物件は1965年に奥の二棟、翌年に公道寄りの一棟が建設された。築年でいえば55年超ということになる。老朽化が進み改修直前の家賃は3万円~3万5000円ほどの低額で3戸のみ入居といった状況。これまでの仙台では、こういったものは建替えられるのが一般的だった。ところが、この土地の所有者は思い出の建物を取り壊すことで以前の土地の記憶までがなくなると考えた。幸いにして東日本大震災を経た建物なのにも関わらず、強度的には問題がないという調査結果がでた。結果、給排水その他の配管をやり直し、断熱サッシへの入れ替え、設備その他の更新、間取りの変更と、コンクリートの躯体を残して、それ以外はすべてやり替えている。もちろん断熱では新築レベルの性能を備えた建物になっているなど、住み心地も大きくアップしている。

