「家は気づきを創造する場。住み開くことで、人生を面白くする刺激を運んできてくれる住まいにしたかった」と奥さま。1階はLDK+ワークスペースとしてさまざまな家族の距離感を楽しめる場所に。2階は約半分を大きなクローゼット内に、家事室兼アトリエを備えた間取りで、もう半分をフリースペースとした。このフリースペースは将来的にホステルとして運営する予定だ。地下1階はショップをやりたい人とコラボしたり、スタジオやギャラリーにしたりと、街に住み開くことを積極的に考えたプランとなっている。
このように1つの住宅の中に、「暮らしの場」「創造の場」「働く場」「商いの場」「泊まれる場」と、様々な機能を兼ね備えており、俗に言う「〇LDK」では表現できない住宅である。住宅の決められた機能に、暮らし方を当てはめるのでなく、自分たちのしたい暮らし方に合わせて、必要な空間を作っている。もちろん、今後も安心して暮らしていけるよう、耐震改修や断熱改修等、建物スペック面も向上させている。
今後はまずは、地域の人やお店と連携しながら、小さくコトを起こし、人生の楽しみを広げて行く予定だ。
世界的に「家の中で過ごすこと」を余儀なくされ、「地域の中での繋がり」が見直された今日、これからの住宅の在り方を考えるきっかけにもなればと願う。
BEFORE
物件は築30年の元写真スタジオを持つ戸建てで、地上2階+地下1階+ルーフバルコニーがあった。初めて訪れた際に印象的だったのは、天高3メートル超の広がりある地下空間と、周囲が一望できる開放感あるルーフバルコニー。これほど贅沢でポテンシャルが高い物件はなかなかないと感じさせてくれるものだった。
この強みを活かしつつ、クリエイティブな住まいへの再編集がはじまった。