地域への「ゆるさ」の提案

その他  /   エリア:東京都  /   掲載日:2020-09-02

その他  /   エリア:東京都

掲載日:2020-09-02

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「ゆるさ」の設計

前面道路との境界を隔てていた敷地北側の巨大な石積み擁壁を大幅に解体し、視覚的に敷地を開き、西側の大通りに向けた新たな出入り口を設け、敷地内を迂回せず、通り抜けられるように変えた。また、主な利用者が住民だけでは敷地が閉じてしまうため、北側の前面道路に面して一般向けのシェア畑を誘致し、風景の中での印象を強めた。シェア畑とシェア型賃貸住宅の間の空地は、誰もが入ることが出来る広場とし、住宅地のオープンスペースとしての価値を失わないよう、ゆったりとしたスケールでテーブル、ベンチ、菜園用の足洗い場、植栽を配した。建築内部は日常的には住民専用だが、広場に面した場所をコモンスペースとし、外構と同じようなスケールで計画を行い、大きな開口部で連続性を持たせた。イベント時には広場と一体的に利用できる。
シェア畑事業者、ランドスケープデザイン、建築の設計、家具のデザインに至るまで、ここで行ったのは、「ゆるさ」の提案だ。ゆるい開かれ方、ゆるい繋がり、ゆるい時間の流れ。
竣工から一年半たった現在、これまで通りの普通な、それでいて気楽で幸せな日常が繰り返されている。ベビーカーを押したお母さんが散歩しながら通り抜けたり、菜園の手入れに来た人を、お年寄りがベンチに座って眺めていたり、住民と地域の人が互いに気兼ねなく過ごしているが、ともに地域に住んでいる風景が立ち現れている。

BEFORE


before image

住宅街で異質を放っていた森

三鷹と武蔵境の間の住宅地にたたずむJR東日本の寮・社宅だった築40年余りの建物を、当社を事業主とし、単身者向けシェア型賃貸住宅(112戸)とファミリー向け賃貸住宅(24戸)への改修。計画前、ここは地域の人たちにとって、木々がうっそうとした、巨大で入ることのできない荒れ地であり、どちらかというと「歓迎されない場所であった」といっても過言ではない。そのような場所を我々は、敷地を開き住宅地にふさわしいパブリックスペースの在り方を提案した。
 都市部の広場のような、賑やかでアクティブなものを住宅地に設けることは、環境的にもリソース的にも難易度が高い。そこで敷地近くの玉川上水のように、穏やかで、誰もが自由に日常の一部として利用できるような場所を理想として計画を進めた

Before

After

    • 部門
    • 無差別級
    • 間取り
    • 3LDK
    • 費用
    • 80000万円(税込)
    • 形態
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体 / 水まわり / 居室・その他 / 屋外 / 耐震補強 / 断熱改修
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1972年3月
    • 構造
    • 鉄筋コンクリート造
    • リノベーション面積
    • 60.00
    • 施工期間
    • 1
    • 備考