広さがないからこそ出来るリノベーションがあります。今回の物件のように予算は限られていても総面積が少ない分、挑戦的なプランを試せる部屋がそれです。ミニマムな中にも贅沢さを感じさせるために人気の高い北欧風ではなく、あえてジャパニーズモダンを前面に取り入れることを選択。一日を最も長く過ごすリビングスペースには自然素材を採用し、クロスを使わず珪藻土で仕上げた壁は塗り方のパターンに変化をつけ、ポイントで真鍮材を用いデザイン性を高めました。室内を通る大きな梁には間接照明を仕込み、その間接照明カバーにはエアーブラシで丁寧に濃淡をつけることで金箔を表現したアイキャッチを設置。天井は神社仏閣や城などで使われる釘を使わず角材を格子状にくみ上げる日本伝統の格天井としました。
限られた空間面積だからこそ、機能性を高めるため収納は梁下のデッドスペースを有効活用。敢えて取っ手をつけず壁のように見せておきながら、開けると収納空間を用意することでモノが散らかりにくいシンプルな暮らしができる工夫としています。
上記のように機能性のある仕上げ材や本物の無垢材をふんだんに使用し心地よく過ごせて、且つデザイン性も取り入れてこの部屋で長時間過ごせる居心地良さを追求した部屋です。
BEFORE
部屋は50平米ほどでやや手狭ながら、在来線はもちろん、JR九州が誇る豪華列車「ななつ星」も停まる駅の真横に建てられたマンション案件。物件としては古いが立地特性としては、もはやこんなベストポジションでは建てられない場所にあることが特徴の建物だった。