事務所や会議室だった部分に水廻りを新設し、1LDKにリノベーションしました。
稽古場と住まいの間にワンクッション。両側から使えるトイレを挟むことで、うまく空間をゾーニング。
事務所で活躍していたドアは、浅葱色、萌黄色、真朱色と塗り分けて再利用。実はこの色、天神橋商店街由来の色だそう、驚きました。外観はベージュのタイルに合わせて、黒塗装+格子で和モダンな雰囲気。向かいの方から、「ドアをあけるとステキな家が見えてうれしいわ」と褒められるんですって。
花團治さんは「欲しい資料がすぐ見つかる笑。オンオフの切り替えも早くなり、より集中できるようになりました。」「清祓式で、実家の歴史を織り込んだ祝詞を上げていただいたこと、お気に入りのドアを再利用したこと。父は本当に喜んでいました」と妻。
妻の父が建てた家を、妻の夫が引き継ぎリノベーション。その想いのバトンタッチがグラデーションとなり、暮らしに笑顔をもたらします。
BEFORE
花團治さんは、妻の父からのアドバイスが身に染みたと語ります。
「仕事とプライベート、しっかりと分けた方がいいんじゃないか?」
というのも、前の住まいは3階建て、1階と2階をプライベート、3階を落語教室や稽古場として使っていました。
3階に行くには、2階のLDKを通るため、お稽古人さんは気を使い、妻はお稽古が終わる22時頃までお風呂にも入れません。そして、妻の父は手をさしのべます。
「うちの1階の会計事務所も閉めたことだし、どうだ?この事務所。稽古場兼住まいに改装したら」
クラシックコンサートのナビゲーターも務める多才な花團治さん、多くの芸術家が交流できるサロンが欲しいと常々考えていたこともあり、この申し出、快く受けることとなります。