神戸には灘五郷と呼ばれる、室町、江戸時代から受け継がれる「日本一の酒どころ」があり、今も兵庫県は清酒生産量で全国1位を誇ります。神戸が美味しい水や酒米に恵まれたこと、山から海へと繋がる傾斜地があること、港が近く流通の便が良いことなど、「酒」はまさに神戸の気候風土によってオリジナルに発展を遂げた「文化」といえます。2019年6月1日に神戸のランドマーク・ポートタワー展望3階に灘五郷の日本酒を扱う“SAKE TARU LOUNGE”がオープンしました。ポートタワーは来年度から民営化を目指しており、その社会実験第一弾として、神戸市と株式会社ARIGATO-CHANとの協同で2020年3月末までの期間限定で運営を行います。空間コンセプトはまさに「巨大な酒樽」。菊正宗酒造様に使用済みの廃棄予定だった酒樽を無償でご提供頂き、ポートタワーの平面形状に合わせた円形の壁面に酒樽材を貼ることで「巨大な酒樽」を製作しました。その「巨大な酒樽」から提供される「灘の酒」を楽しみながら「神戸の街」を360度体感することができます。その他にも六甲山の間伐材を活用したカウンター、酒樽で製作したスツール、箍(たが)を重ねた照明など、様々なアップサイクルに取り組んでいます。8月からは24時までの営業時間延長も開始し、“SAKE TARU LOUNGE”をきっかけに公共空間の在り方が変わり始めています!
BEFORE
神戸のシンボルとして親しまれている神戸ポートタワーは、昭和38年(1963年)の開業以来、神戸振興協会が運営してきましたが、平成31年4月1日(月曜)に神戸振興協会が一般財団法人神戸観光局と統合することに伴い、神戸市に移管することになります。当面は引き続き、神戸振興協会が運営を続けますが、神戸ポートタワーを活用して、神戸のまちの価値向上につながる様々な社会実験を行う予定です。”SAKE TARU LOUNGE ”はその第1弾として、展望3階の元回転喫茶フロア(1周約20分)をセルフリノベーションを行いました。ポートタワーのポテンシャルを最大限生かし、最小限の部分に手を加えることで低コストでのデザインを実現しています。