このお部屋の主人公は「すもも」。
フラットコーテッドレトリバーという犬種の、元気いっぱいな2才の女の子です。黒い毛並みが輝くすももは、家族の愛情をこれ以上ないくらいに受けてのびのびと暮らしています。
2人+1匹の3人家族のために、デザイナーが提案したこれまでにないアイデア。
それは、部屋の中にペットではなくヒト用のケージをつくってしまうというもの。キッチンとダイニングを内包する一角を、シックなブラックのパーテーションで仕切りました。前に住んでいたお宅ではフローリングの上を滑ってうまく歩けないこともあったというすもも。仕切りの外側は全面磁器質タイル貼りにして、よりアクティブに遊べるようになりました。仕切りの内側は夫婦のスペース。料理と食事の時間をこよなく愛する夫婦が、団欒の時間を心から楽しむための空間です。
すももが手をかけて中を覗ける高さ85cmより上はガラス窓で仕上げ、内側と外側を1つの大きな空間として感じられるつくりになっています。ご主人が釣ってきた魚をさばいたり、奥様が食器のコレクションをこだわりのキッチンに納めたり。そんな時すももは、パーテーションの外側のリビングで悠々と過ごします。
このパーテーションは、夫婦がすももの安全を守るための思いやり。程よい距離感が、家族3人の幸せを生み出しました。
そんなこのお部屋にはこの秋、もう1匹新しい家族が増えるそうです。
BEFORE
すももは遊びたい盛りの2才の女の子。どんな時でも元気いっぱい家の中を飛び回っていました。料理中の奥様に後ろからぴょんと飛びかかったり、夫婦の食事を味見しようとしたり。
そんな日常の末、いつしかすももから隠れるようにしてキッチンで食事をとるようになっていた夫婦。家族3人、それぞれがストレスなく快適に暮らすためにどうしたらいいか、頭を悩ませていたんだそう。
そんなとき転機となったのが、奥様の10代からの親友がご自宅をリノベーションしたこと。暮らしの中の問題を解決しながら、ライフスタイルを空間に100%反映していくリノベーション。それは家族にとっても最適な選択肢でした。