現代版『陰翳礼讃』

戸建  /   エリア:大阪府  /   掲載日:2019-05-16

戸建  /   エリア:大阪府

掲載日:2019-05-16

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古民家らしさを残しつつ、新たな持ち主の色を加える。

日の光が入りにくく、暗くなりがちな古民家の特徴を、これもまた空間を仕切る認識が希薄な日本家屋の特徴を活かし、縁側の障子を取り除き南側一面採光。大きな壁面には、アクセントとなるガラス窓を取り入れることで明るさと抜け感を演出。
網代の天井や丸い穴がポイントの床の間はそのまま残し、新築では出せない風合いの欄間や竿縁天井は、クリア塗装でシミなどの経年変化を武骨なカッコよさへと昇格させた。
構造上、架け替えることのできなかった階段は襖を取り払い、飾り棚を取り付けることでリビング空間のアイコンの一つとなっている。
意匠面だけでなく安心して住める古民家にするべく、基礎替わりとなるコンクリートの塊を地中に埋め込み、束柱とそのコンクリートを繋ぐ耐震補強金具を取り付けた。この方法はコストと工期を抑えるため、通常工法とは異なるこの家オリジナルな方法を提案した。
隣接する離れは建具や板張りの床を取り除き、今後ご主人の靴工房として変更が加えやすいようフレキシブルな箱の状態で引渡した。
仕事柄増えた靴のコレクションを収納する大きなシューズインクロークには、新たな家族の記録として手形を刻んだ。自らの誕生とともにリノベーションというカタチで生まれ変わった古民家で育つお子様が、将来築くであろう家族へ受け継がれ、手形が増えていくことを願っている。

BEFORE


before image

シューズメーカーで企画・デザインの仕事をするご主人は、新築の既製の作為的なデザインよりも、特有の温もりのある雰囲気と、自分好みの空間へのアレンジを受け入れる寛大さを感じた古民家に絞って物件をお探しに。
そんなご主人が1年かけて見つけ出したのは、築100年越えの古民家。
建築基準法制定以前の建物のため、コストの収まる範囲で現在の耐震基準にできるだけ近づけたいと思った。
また、外装のメンテナンスは行き届いていたものの、増築されていた浴室トイレは脱衣所がなく、キッチンとダイニングの間には高さ1350の位置に梁があり、家族で過ごすLDKの空間が分断されていた。

Before

After

    • 部門
    • 1000万円以上
    • 間取り
    • 2LDK+SIC
    • 費用
    • 1350万円(税込)
    • 形態
  • 費用に含まれるもの
  • 水まわり / 居室・その他 / 耐震補強
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1914年1月
    • 構造
    • リノベーション面積
    • 148.00
    • 施工期間
    • 3ヶ月
    • 備考

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