様々な素材のMIX感がとても印象的なW邸。ご主人の審美眼によって選ばれた素材たちが散りばめられています。「仕事はリゾートホテルの設計がメインだったのですが、そこで気に入った素材は住宅に活かせるものも多くて。今でこそ日本でも古い建物を大切にするリノベーションが浸透しつつありますが、環境先進国と比べサスティナブル建築の分野で遅れを取っていることは事実です。世界中の建築を見てきた建築士だからこそ、地球にやさしい素材を自邸に取り入れて暮らしていくことが自分らしい最良の選択だと考えました」とご主人。担当デザイナーは、どこにどんな素材を配置するかを検討。熟考の末、ワンルームの間取りを活かし各スペースの壁ごとに素材を貼り、視覚的なゾーニングも図りました。積極的に取り入れたサスティナブルな素材は、玄関の壁に貼ったエネルギー比率の高いOSBボードや寝室のパーティションに施したリサイクルボード。コンクリートのような質感が楽しめるリサイクルボードは、原料にコーヒーの豆かすなどの再生材料を多く含んでいます。「ラフな雰囲気になりすぎないか少し心配でしたが、カジュアル過ぎず、凛としてる表情にも感じられて私も好きです!」と奥様が言うように、高い意匠性も発揮。“リノベーション×持続可能な素材”という選択肢はこれからのリノベにおけるテーマであり、サスティナブルな社会に大きく貢献する新たなリノベのカタチとなりました。
BEFORE
施主は海外で活躍する一級建築士のご主人と、
インテリア関係の仕事に就く奥様。
赴任先から帰国後、すぐに物件探しを開始し、
中目黒駅からすぐにある約50平米のマンションを購入した。
ご主人は海外で経験した数多くのプロジェクトを経て、
日本の住宅におけるサスティナブル建築への遅れをより強く感じていた。
そして自邸をつくるにあたり、
環境にやさしいことをテーマにリノベすることを決めた。