内装仕上げは全て塗装仕上げで施工することに。
壁や梁の表面の質感をダイレクトに目で見て感じられることでリノベでしか出せない建物のUSED感を視覚で感じられるように心がけました。
床材は750mm×750mmのタイルを施工することで空間の解放感を演出し、躯体とタイルの固い性質を活かした音の反響で映画鑑賞などを楽しめる空間に。
壁の仕上げの一部や建具にはシナ合板を多用しました。
シナ合板独特の表面の木目が塗装することで姿をガラリと変え、深い味わいのある重厚感を演出してくれました。
この空間に2箇所ある掃き出し窓のアルミサッシは、カバー工法で樹脂製の複合窓に交換しました。大きい開口部のサッシも断熱性能が高い樹脂複合窓に交換することで、結露が発生しにくい環境になり室内空間の性能を向上させました。
熊本にも多数存在する築年数の古いマンションですが、築年数と比例して住人の年齢層も高くなっております。空室が続き老朽化が進む前に、リノベーションを行い住まい環境を向上させてマンションの価値を高めることが大切なのではと再認識させられる現場でした。
BEFORE
現場は熊本市中央区に位置する水前寺という場所で熊本県庁や熊本県警本部が置かれる、ややお堅い場所に存在する築45年のマンションになります。玄関から入ると、中は薄暗く左側のキッチン背面にせり出した壁の圧迫感が窮屈に感じる昔ながらの間取りのマンションでした。採光が確保しにくい間取りでしたので壁を取り壊して部屋全体に明かりを取り込むことを優先的に考えました。