この部屋で最も目をひくのはリビング&ダイニングの空間です。リビングスペースには存在感ある壁いっぱいの大きなピンクのアーチをアイキャッチにし、内側にはラグジュアリー感のあるウィリアム・モリスの手掛けたテキスタイルを用いた壁紙を貼り、間接照明が降り注ぐステージをつくりあげました。さらに両サイドには化粧品売り場のようなディスプレイスペースを確保し、住む方がお気に入りのアイテムをインテリアデザインとして取り入れられる工夫を施しました。
室内に入る壁面はヨーロッパの街並みのようなふんだんにモールディングを施した腰壁に、さわやかブルーのストライプ壁面。キッチンカウンターはモールディングを施したオリジナルのカウンターを設置。カウンターの厚みもあえて通常よりも厚くとり、重厚感を施しました。さらにキッチン部分のフロアーにはマーブルのテキスタイルを敷き詰めています。ほかにも室内に外開きの小窓を設置してみたり、照明もシャンデリアを家具装飾の一部として取り入れてみたり、といった非日常的な演出に徹底的にこだわりました。
ファミリー層向けとはいえかなり趣味性の高いデザインであったため、不安がなかったといえば嘘になりますが、デザインクオリティに妥協はしませんでしたので、販売後すぐにバリバリとお仕事をされる女性のお客様が購入してくださったそうです。
BEFORE
築34年のRC造マンションの再販リノベーション。面積は71㎡。立地は市内中心部までバスで約10分ほどの短大や名門高校があるやや感性なエリア。町の利便性と郊外地ならではの快適さが両立した高台に位置しています。立地特性を考えた時に夫婦二人暮らしではなくファミリー向けとして販売するターゲット設定としたため3LDKの間取りを確保。当社が住宅よりも店舗、ホテル、結婚式場のリノベーションを得意としていることもあり、室内空間のデザインコンセプトを「パリのブティックに住むような優雅なライフスタイル」とし、通常の住宅施工ではあまり取り入れることがないデザインや施工を積極的に取り入れた物件になります。