郊外大家さんは農と緑でバトンタッチ

その他  /   エリア:神奈川県  /   掲載日:2019-08-27

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掲載日:2019-08-27

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川崎市鷺沼は、かつての農村集落「有馬」地域から発展した地です。
大家は鷺沼の旧家で農業を営む一方、沿線の宅地化に合わせ、大家業を営んできました。農地から宅地への変化の時代に、大家業をはじめた祖父。資産を受継ぎ、事業承継に向けた準備をする父。そして将来それらを受継いでいく息子。家業に戻ってきた息子は、新しい農業の形として、父の畑の隣でグリーンショップをはじめました。
一家には、大家業と農家業、そして世代の転換期が訪れていました。これまで別々に営んできた大家業と農家業をつなぎ、地域に根ざした生活環境価値を継承していくことを目指します。
元々駐車場だった空地を、地域に開かれた庭へと活用し、有馬の里山の植生を取り入れた雑木林や丘を再現。子育て世代が、安心して子供を遊ばせられる場所です。また人通りが多い道路に面して、エントランス棟を増築。ここに息子が営むグリーンショップが不定期で訪れ、グリーンを介して入居者と地域との交流が生まれることも期待されます。さらに無機質だった外壁には、農作物の生命力や有馬の里山の風景をイメージさせる壁画を描きました。
高齢化と人口減少がすすむ、東京郊外ベッドタウン。その社会課題に対して賃貸住宅と地域の大家が果たすべき役割とは、消費されない誇りある住環境を自らが当事者として育むこと。ビジョンある住環境の価値を「継承」によって再構築するプロジェクトです。

BEFORE


before image

1977年に建設されたRC 階段室型賃貸共同住宅は、建物の劣化・賃料の目減り・入居率の低下等の問題を抱え、オーナーは将来の対応を検討していた。 既存入居者が居る状況、建築制限等により建替の場合現状と同等規模程度しか建てられない状況から改修を選択した。公団住宅特有の建物の前面に広い敷地。建設時とは時代・人々の暮らし方は変化し、かつて必要とされていた駐車場の活用方法を見直す時期とも重なり、地域に開かれた庭をもつ賃貸住宅を提案した。

なお、高度経済成長期以降、鉄道会社と日本住宅公団による沿線の宅地開発が進む中で、農家が所有している農地を宅地化し、多くの賃貸住宅が建てられていた。本物件はその文脈で建てられたうちの1つだが、郊外にはこのような建物が多く存在している。

Before

After

    • 部門
    • 無差別級
    • 間取り
    • 2LDK
    • 費用
    • プライスレス
    • 形態
    • 賃貸リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体 / 屋外
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1977年4月
    • 構造
    • RC造地上5階建
    • リノベーション面積
    • 999.99
    • 施工期間
    • 8ヶ月
    • 備考