かつて呉服屋だった大型の京町家をリノベーションし、レンタルスペースとして再生しました。
柱が細いなど構造的に繊細な作りをしていたため、衝立の役割も果たす格子の壁で補強するなど“線”をテーマにリノベーションしました。格子にすることで光を通すので、明るく広く感じることができます。
建具は担当者が様々なところから再利用できるものを探し出し、表具屋さんに合うよう調整してもらいました。職人仕事の素晴らしさを随所に感じることができます。新調せず再利用したことで大幅なコストカットにも成功しました。
1階は最大40名が座れる畳敷きの大広間。部屋と部屋の間にあった垂れ壁を取り除くことで、広い空間を確保し、開放感を出すことができました。キッチンはモルテックスを使用し、使いやすく、町家にふさわしい土間になるよう工夫しました。
2階はフローリングの部屋が2室とお茶の炉がある和室が1室。和と洋が融合したしつらえとなっています。天井を支える立派な梁を邪魔しないようライティングにもこだわりました。「ヨリアイマチヤ」の顔とも言える襖絵はmaisさんという作家さんに描いていただき、華やかでモダンな“映える”空間となりました。
人が町家に“寄り合い”、町家の新たな時間を動かすことができればなあという思いが詰まっています。
利活用が難しい大型京町家の新たな活用としてのチャレンジでもあります。
BEFORE
1927年8月以前に建てられた京町家。以前の所有者は呉服屋さんで、事務所として使われていました。