お気に入りのコレクションに囲まれて暮らす幸せ。暮らしの利便性を圧迫するコレクションの不快感。この二律背反を中和させる空間を模索した結果「廊下ミュージアム」へ辿り着いた。
シューズメーカーでディレクターを務めるハイセンスな家主を持つのファミリーの住まい。商品化する前段階のシューズのプロトタイプやモノづくりをインスパイアさせる様々なコレクション達。小さい子供達がいる中で、展示のための部屋を取るには延床面積はないし、リビングに展示すると他の家具が置けなくなる。
そこで、廊下を少し幅広に拡張し、展示スペースとしての機能を入れて「廊下ミュージアム」とデザインした。移動するためだけの廊下が、通って楽しい空間へと変貌した。また、完成後は子供達も一部に自分たちのモノを飾り、幅広の廊下に座り込んで本を読み始めた。「展示する」からはじまる新しい家族のコミュニケーションが生まれた。
壁面が全て窓だったため断熱性を上げるために二重窓、床暖房を設置。機能面の改良も行っている。機能性と快適性を備えたハイセンスなファミリーのためのリノベ空間となった。
BEFORE
築20年のRCマンション。ファミリー向けの3LDKの間取り。マンションの1階の物件。庭との繋がり、道路からの視線等、メリットを最大化しデメリットを解決する必要があった。