ご夫妻がイメージしていたのは、生活感のない、ホテルのような非日常のくつろぎ空間。このイメージをどのようにカタチにするか、ご夫妻と一緒に何度も話し合いを重ねました。
「立ち寄ったショップで見たオープンな本棚を、リビングにつくりたい」
「キッチンの壁にタイルを張り、家電を収納する棚も既存の白から落ち着いた色合いにしたい」
「リビングの天井を高くしたい」
「床も落ち着いたウォールナットのフローリングに変えて、全体のトーンを落ち着いた雰囲気に」…
打ち合わせのたびに新しい要望が加わり、リノベーションの範囲は浴室やリビング、キッチンまで広がりました。なかでも、浴室は海外のリゾートホテルのような造作仕様をご希望に。オーバーヘッドシャワーに塗り壁、タイル張りの床、床出し水栓、置き型浴槽、ガラスの間仕切り壁と扉を採用したプランは、時間をかけて一つひとつの設備や色の吟味を重ねました。
BEFORE
閑静な住宅街に建つ3階建て。2階と3階にそれぞれ水まわりやキッチンを備えた上下分離の二世帯住宅でした。建物は築年数が浅く、しっかりとした造り。当初、ご夫妻は2階の既存の造作を活かしながら、傷みが目立っていた壁紙の張り替えを行い、より居心地の良い生活空間に変えたいと希望されていました。併せて「薪ストーブを採用して、戸建てならではの暮らしを楽しみたい」と既に購入し、リビングに設置されていたストーブまわりの炉壁の施工、ユーティリティのツインボウル洗面台の新設、トイレの設備交換なども検討されていました。